気仙沼で大学生が1週間自分と向き合う「SOKOAGE CAMP」。そこで起きたことや感じたことを綴った、幻の1週間の記録が「そこあげ物語」です。
連載ですので、まだ読んでいない方はこちらからどうぞ。
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半信半疑
気仙沼へ向かうバスの中。
一緒に参加する後輩と、これから始まる1週間について話した。
過去にこのキャンプに参加したことがある人は、このキャンプの魅力は言葉では言い表せないと言っていた。誰もが涙を流し、参加してよかったと言って帰っていく。
どこか、うさんくさいなと思った。
「キャンプ中、みんな泣くらしいよ。なんかこわいよね(笑)」
そんな話をしながら、2人で気仙沼に降り立った。
上の空
その日はたしか快晴で、徹夜明けだったこともあってか、ハイテンションになっている自分がいた。駅に集合し、参加者やスタッフと顔を合わせて軽く挨拶を交わし、スタッフの車に乗り込んで会場となっている廃校舎へ向かった。
車の中では、みんな緊張している様子だったが、私は異常なハイテンションで、「春みたいにあったかいね!」と言って後輩と2人で盛り上がっていた。
学校に着き、自己紹介や掃除をしているときにも、なんだか上の空で、いつもと違う自分になっているような感覚だった。
不安があったとすれば、みんなの名前がどうしても覚えられなかったことくらい。何度聞いても覚えられない自分に、若干自己嫌悪になったりもしたけれど、それでもやっぱりハイ状態は続き、なんだかよく分からないけれど楽しかった。
どうなりたいのか
初日のワークの中に、このキャンプが終わった時にどうなっていたいかを書くというものがあった。
漠然とした動機で参加した私は、一瞬困ってしまったが、最近感じていた自分の中の課題を紙に書いた。
その時に実際に書いたものがこれ。
自分で書いておきながら、なんだかしっくりこないなと思っていた。
私はこのキャンプでどうなりたいんだろう?
それが、キャンプの中で私が最初に考えるべき課題となった。
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次回第2章では、私がキャンプ中初めて号泣します。
※現在、このSOKOAGE CAMPが、新たに参加者を募集しているみたいです。
ちょっとでも興味のある方は、ぜひ覗いてみてください。