ももばちの軌跡

人のヤミが好きなだけのももばちの、ヤミの悲鳴とアイ。自分のヤミと向き合いながら生きる、ももばちの奮闘記。

言葉にしないこと

最近、うまく言葉にできないことが増えてきたな、と思っていた。

 

伝えたいのに、言葉が出ない。

この感情を、どう言葉にしたらいいのか分からない。

 

 

そんなある夜、思いがけずこぼれた涙の理由が分からなくて。

 

 

その時、ふと気づいたんだ。

 

私は、言葉にできなくなったんじゃない。

言葉にするのをやめたんだ。

 

言葉にしてしまえば、楽になるのかもしれない。

それでも、この涙を、言葉にしたくないと思った。

 

揺れ動く感情を、安易な言葉で置き換えたくない。

 

 

そう思うようになったのは、言葉の限界を強く感じるようになったからかもしれない。

 

複雑な感情を、言葉という記号に完全に置き換えることはできなくて、

 

それでも、迷いながら発した言葉は、そのまま相手に届いてしまう。

 

言葉にするのが、こわくなった。

 

逃げているだけかもしれない。

 

それでも、言葉にしたくないっていうのは、それだけ大切にしたいものがあるってことだと思うの。

 

よく分からない複雑な感情を、扱いやすい言葉に置き換えて消化するんじゃなくて、よく分からないまま、保存しておく。

 

大切に伝えたいことが、ちょっとでも正確に伝わるように、ゆっくりじっくり、成熟させながら伝えたい。

 

言葉にできなくて悔しい気持ちにもなるけれど、

大切なものを大切にできるようになったのは、

ちょっと成長したのかもしれないと思ったりする。